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会津の山・要害山と蒲生岳 2024年10月26~27日

紅葉時期の会津の山と只見の里をレンタカーとマイカーにて賑やかに11名で訪ねて来ました。  Washi 記
田子倉湖
1.只見駅  前夜、八王子を23時に出て関越道の塩沢石打SAで仮眠。 小出ICから国道252号を県境の六十里越えを抜け、福島県の只見駅までやってきました。 朝から天気がすぐれないので明日の行程と入れ替えて、JR只見線の乗車と要害山登山に切り替えます。

 早朝の駅前はまだひっそりと静まっていました。
2.おもてなし  着飾った案山子が旅人をおもてなししてくれています。

 朝露に濡れた今朝はちょっぴり寂し気です。
3.会津川口駅  係リーダーの計らいで、只見駅から会津川口駅まで2両編成の気動車に乗り、沿線の景色を楽しみます。沿線には歓迎の幟や車両に向かって手を振る人々もあり、只見線が地元に愛されている事が伝わります。会津若松から来た気動車に乗り換えて折返し約2時間の乗り鉄旅でした。

 只見線は、2011年7月の新潟・福島豪雨の只見川の水害により不通となり2022年10月の全線開通まで11年を経て再開したので感慨深いものがあります。
4.浸水被害  「鉄道が入ることで景色に魂が入る」と郷土写真家の星 賢孝さんは話しています。 2011年被災当時の鉄道軌道整備法では復旧費用は赤字会社なら国の補助が1/2まで認められたのですが、黒字のJR東日本ではバス代行にとどまりました。その後、熊本地震などの被災路線を抱える各地の県知事や国会議員により2018年に法改正が実現し、復旧費用は国庫1/3、自治体1/3、鉄道会社1/3となり見通しが開け、さらに上下分離式という施設管理、線路除雪などを自治体が行い、年間3億と予想される運行経費も負担する形で復旧工事が実現しました。
5.要害山にて

 只見町から魚沼市へ抜ける六十里越道路が冬季通行止めとなるので只見線が唯一の交通手段であるが、今後の老朽化で運営費がかさむことを考えれば、復旧費用を別の事業で有効活用すべきだったとの指摘もあります。

 観光での利用など旅行者側も只見線を応援して行かないと将来が心配です。

 乗り鉄のあと、只見駅からすぐの険しい崖道を登り、アンテナ塔のある標高705mの要害山に登りました。

6.紫色きのこ  山頂は樹々に覆われ見通しがききません。

要害山からは只見スキー場への南尾根を下山。 やはり急降下の崖道を所々設置してあるロープを頼りに降ります。 紫色のキノコが出てました。
7.要害山の南尾根  急傾斜から解放された尾根上でホッと一息。
8.下山  右側下方に只見スキー場を見ながら下山。
9.只見スキー場へ  スキー場のレストランやまびこが見えます。
10.只見駅  只見駅前では、只見町ウォークや只見米フェスティバルなどのイベントや出店のテントが並んでにぎわっていました。

 2024年5月3日全国ロードショーの台湾/日本合作映画「青春18×2 君へと続く道」のロケ地でもあります。
11.鳥居  要害山の下山道の横に三石神社があります。
12.御神体  磐座(イワクラ)が御神体です。 こよりに五円玉を通して岩のくぼみに吊り下げて縁結びを願うそうです。
13.博物館  2009年に開館した只見町ブナセンターを見学しました。 2014年にユネスコエコパークに登録された只見地域の情報の宝庫です。 今回訪れた山々の成り立ちや昔の暮らしなど展示品に興味が尽きません。

 例えば、およそ700万年前の新第三紀中新世の頃、日本海が多島海の時代にあった海底火山が隆起し雪食、侵食された残丘が蒲生岳の成り立ちだと考えられているそうです。
14.キャンプ場  ひとっぷろ町湯に寄ってから、奥会津ただみの森キャンプ場に行きます。 バンガローとテント2張りに別れて宿泊。 バイクツーリングや家族キャンパーで晩秋の寒い夜でも割と賑わっていました。

 バンガローの床壁天井窓際などあらゆる箇所に「カメムシ」が入り込んでいるので先ず掃除が大変です。 ハッカ油スプレーや粘着テープ等での捕獲騒ぎは就寝前まで続きました。
15.ディナー  係リーダーに買い出し準備して頂いたお楽しみの晩餐です。 手軽に温めるだけですがとても美味しいおでんやビールが疲れた身体に沁みわたります。

 みんなの協力でテキパキと片付けも終わり、明日に備えて21時頃には就寝。
16.駐車場  今朝は早くからキャンプ場を後にして蒲生岳の駐車場へ。 ランチパックやクロワッサンの朝食を摂って日帰り登山の準備。
17.蒲生岳へ  南面の急傾斜で所々岩稜を登る往復登山です。 のどかな只見の里が見渡せて心が洗われます。
18.ハナゲ通し  この「ハナゲ通し」は岩の大穴に松が通っていた事があったそうで、その様子から名付けられたそうです。 ここを抜けて行くのではなく、脇の基部から上へ登ります。
19.トラバース  岩稜のトラバースや急登にはロープや鎖が設置されています。
20.蒲生岳山頂  小一時間前に先着したメンバーが待っていた山頂で集合写真。 東北東の彼方には磐梯山も見えました。
21.六日町方面  晩秋の気持ち良い午後を満喫♪

下山後に新米も購入できて大満足。

今回も、係リーダーにメンバー全員が大感謝でした。

 【参加者・他・行程】

 M)係、W、W、Y、I、A、A、T、H、I、他1

 ・蒲生岳からの下山途中でストック石突にゴムキャップした物を使ったので、倒木に突いたとき滑って転倒があった。手首を打ったので擦り傷の清浄に、たっぷりの洗浄液がしみ込んであるガーゼパックをリーダーが用意していたのが手当に非常に有効だった。                ・自然の摂理に反するのでお勧めはできないが、カメムシ退治には、燻煙式の「バルサン」をバンガローで使用する事も考えられますが、30分以上、室内に入れないので時間がないと出来ません。

10/25(金) 八王子駅南口22:30⇒あきる野IC⇒                       10/26(土) 塩沢石打SA(仮眠)⇒小出IC⇒只見駅前駐車場                         只見駅⇒会津川口駅⇒只見駅(乗り鉄)、9:50出発→12:00要害山705m→              下山口14:10、博物館見学と入浴⇒キャンプ場16:50                               10/27(日) キャンプ場6:15⇒蒲生岳駐車場7:30→11:00蒲生岳828m、                12:30→15:00蒲生岳駐車場⇒小出IC⇒あきる野IC⇒八王子駅南口21:30

 【費用】

 交通費:レンタカー10人乗り、(マイカー×1 無償) 31245円                          高速料金 あきる野~小出 往復×2台=16120円                              ガソリン (往復 596.5km) 2台分 22440円                                 只見駅~会津川口駅 往復 1020円×11人=11220円                                    小計 81025円÷11人=7365円                                        宿泊費:バンガロー×1=8500円、テントサイト×2=10000円、入場×11人=4400円                  小計 22900円-2290円(モンベル1割引)=20610円÷11人=1873円                      食費:夕食、お酒、朝食、ガス缶、他 16720円÷11人=1520円                     入浴:5500円÷11人=500円、博物館見学:3410円÷11人=310円                       [1人あたり合計 11568円のところ11600円とし、端数352円×11=3872円はテント代他へ]               以上

 

東黒沢から宝川ナルミズ沢2024.7.20~21

豪雪地にある比較的易しい沢へ、アプローチしやすい谷川岳の土合から入り、沢中にテント泊し、朝日岳~笠ヶ岳~白毛門と4人で縦走してきました。            washi 記

宝川ナルミズ沢
1.東黒沢

前夜、白毛門登山口駐車場で仮眠し 6:10出発。斜瀑20mの見事なハナゲの滝や白毛門沢分岐を過ぎて東黒沢源流1350mの鞍部のヤブを漕ぎ、乗っ越したのが12:20。北側の宝川を目指して沢を下降するが一箇所3m滝だけ懸垂下降しました。ウツボギ沢と出合う広河原に5張り可能な切り開きがあり14:50にテント泊。



2.大石沢過ぎ

全行程中で他パーティとは昨夜に幕営地のとなりで数人の話し声を聞いたのみで誰にも会いませんでした。 7/21 明け方は寒かったがシュラフカバーだけでも大丈夫な程、温暖化は進んでいます。今日の行程は長いが昨夜の盛り上がりの余韻で、6時出発と遅くなった。ミニS字狭は左岸を高巻き、開けた美しいナメを幾つも越えて遡行していきます。

3.魚留滝 この 7m魚留滝はヌメっていたが斜度が割と緩く、指がかりもあるのでロープを出して登ります。
4.アヤメ畑 ここのアヤメ畑は数千年脈絡と続いているのでしょう。
5.二俣 ここは谷川岳馬蹄形縦走ルートのジャンクションピークに突き上げる谷と、ナルミズ沢との二俣。  直前の 7m滝は右岸をへつるが、切れ込みがあって大股で一気に行かねばならない。左岸を高巻いた3人と別れてしまい、50分以上待つことになる。先行したのかと思い先へ行ったり大声で呼んだり。怪我して動けないのかと思い心配になってきた。
6.桜草 長いこと待っていたらヤブから出て来てホッとする。聞けば足元もろくて深いヤブに手こずったそう。この二股だけで1時間半タイムロスとなる。Wが別ルートを取らずに高巻きの先頭で行けば良かったと大反省。サクラソウが静かに風にゆれていました。
7.ヤブ漕ぎ 二俣を過ぎても小滝が続き、沢に慣れてない人には越えるのが困難なので高巻きとなってしまう。
8.詰めのナメ ナメ滝が多いのは、日本の脊梁を越えて来た豪雪がもたらす雪食地形の特徴なのでしょうか。
9.虫捕スミレ 氷河期の生き残りであるタヌキモ科ムシトリスミレはロゼット状の葉の表面の粘液に捕われた虫も養分にすることができます。傍にはモウセンゴケの粘毛が光っています。
10.詰め 大烏帽子山から東へ延びる稜線の鞍部を目指しますが小滝が狭く急傾斜になって来たので堪らず沢から離れて西側の急斜面を縦走路へ上がります。雪食地形のためか、1500mなのに丈の低い笹原草地や削れた岩壁が美しく緑の絨毯が広がります。13:30
11.朝日から大烏帽子山を振り返る 馬蹄型縦走ルート上のジャンクションピークは左側で、ここでは写ってませんが、ナルミズ沢の峡谷から登り詰めた大烏帽子山の肩から、ここの朝日岳(1945m)までの稜線を振り返ります。16:55
12.笠ヶ岳へ 南へ進む笠ヶ岳へと向かう縦走路の東側にお花畑が広がっていました。
13.鞍部のキスゲ畑 笠ヶ岳への直前、キスゲの花園を歩きます。
14.笠ヶ岳から振り返る

笠ヶ岳(1852m)山頂で日没。暗くなり始めた縦走路を振り返る。このあと、標準タイムで3時間半あれば土合橋まで戻れますが、荷が重く暑いし、ヘッドランプを灯しての白毛門からの、所々現れる岩場鎖場の下降に時間が掛かりました。


【参加者・行程概要】 Washi)係、F、他2

7/20(土)  6:10 土合橋駐車場→ハナゲの滝 7:15→白毛門沢分岐 8:00→丸山のコル 12:20→ナルミズ沢出合14:50 テント泊

7/21(日)  6:00 泊地→ミニS字狭 9:00→7m魚留滝 9:20→二俣 10:20~12:30→大烏帽子山とジャンクションピークとの縦走路(廃道)15:10→JP 16:30→朝日岳16:55→笠ヶ岳18:50→白毛門20:30→土合橋駐車場 25:50

巻機山、越後の山 2023年10月7日~9日


 明るいナメ滝で有名な米子沢と、新潟・群馬の分水嶺を訪ねるべく、雨予報の週末の夜にAさんの車に乗り込んだ4名が巻機山登山口へ向かう。 高速道路の県境を越える頃から雨脚が強くなってきましたが、登山口駐車場では車中泊とテントを設営して4時間ほど仮眠しました。    washi)記

越後の山
1.ヤマウルシ 10/7 雨が止む気配が無いのでゆっくり起床。紅葉時期ですが駐車車両は10台程度。びしょ濡れのテントをまるめて車に置き、米子沢に入渓して行く別の4人パーティを横目に、我々は登山道から巻機山を往復する事にします。 まだ下部のブナは紅葉していませんが、ヤマウルシは真っ先に色付いていました。
2.米子沢 登山道の五合目から望遠で見た米子沢の岩は雨で滑りそう。登るにつれて気温が下がって寒くなってきました。やはり沢登りをやめて良かったね!と顔を見合わせ苦笑い。 コースタイム標準より30分程早く避難小屋に3時間ちょっとで到着。小屋は内部にバイオトイレが設置してある12畳位の2階建てで奇麗に管理されています。
3.巻機山 雨で冷えた登山者が15人程入れ替わり立ち替わりして休んで行く中、我々も荷物を小屋に置いて山頂を往復します。寒暖計を見たら外は2度で小屋内は6度でした。 この標識のある個所から少し西の1967mピークまで往復。雨が雪交じりになり、たおやかな池塘草原も視界がきかず残念でした。ついこの間まで夏日が続いていたので下りの笹やぶ泥ドロ地帯も思っていたより酷く無い感じでした。
4.サクリ川登山センタ 下山すると一時、雨が上がって陽が差した。六日町のショッピングセンターで晩ご飯を買ってから三国川(サクリガワ)ダム上流の十字峡登山センターへ移動。1階は営業してませんが12畳程の2階が避難小屋として開放されていて、外は小雨が降り出した中でも快適に泊まれました。他に1パーティが泊っていて、翌日の中ノ岳避難小屋でも同宿となります。
5.丹後山へ 10/8 早朝の登山口には10台位が駐車していて、車中泊の人も多かったようです。登山口から標高差1300mの急坂を延々と登り詰めると丹後山へ続く笹原の稜線に出ました。天気も回復して米どころ六日町平野が間近に見渡せます。
6.兎岳へ 新潟と群馬の県境稜線を大水上山までたどり、越後三山にあげられている中ノ岳を目指します。風が吹き通るなだらかな笹原は背の高さまでの箇所もありますが、刈払いがされている気持ちの良い登山道を感謝して歩きます。
7.利根川水源 この利根川水源の碑1834mがある北東に大水上山1831mの標識もあります。群馬県みなかみ町に1967年完成した八木沢ダムが湛える広大な奥利根湖の水は東京都の重要な資源となっています。
8.平ヶ岳 望遠で見た平ヶ岳2140mです。見えてる範囲は新潟県で、向こう側は群馬県になります。
9.燧ケ岳 大水上山を越えて兎岳1925mまで登ると、平ヶ岳の肩から燧ケ岳2356mの荒々しい姿が遠くに臨めました。
10.小兎南面の鞍部 兎岳を越え北西に下ってから小兎岳への上りに取り掛かる鞍部に池塘がありました。
11.只見川水源部 縦走路から遠く福島県側の北東方向にある奥只見湖の銀山平上流域、北ノ又川の源流部には暑かった夏も解けなかった残雪が見えました。
12.中ノ岳山頂 中ノ岳2085m山頂から越後駒ケ岳2002mを望む。今夜泊る中ノ岳避難小屋が頼もしく建っています。既に小屋には日向山から登って来た昨晩のパーティが先着していました。 (明日10/9当初は空荷で駒ケ岳を往復して戻り、池ノ段分岐から日向山を経由して登山センターまで降る予定でしたが雨なのであきらめました)
13.八海山 避難小屋の先に八海山と駒ケ岳への分岐があります。よく見ると、千本檜小屋が見えました。 今晩の小屋には、小出方面から駒ケ岳を越えて来た人や、ガイドを伴い八海山を越えて来た女性パーティなどで15人程が泊まりました。 10/9は夜半からの雨がひどくなり、雨具も靴もずぶ濡れになりながら急坂を日向山経由で下山しました。今回は天候不良の中にもめげずに参加された皆さんお疲れ様でした。

 

【行程概要】

10/6(金) 高尾山IC 23時⇒

10/7(土) 塩沢石打IC 3時⇒巻機山登山口駐車場 仮眠、出発7:00→避難小屋10:20~10:50→1967mピーク11:20→避難小屋11:50~12:00→登山口駐車場14:30⇒三国川十字峡登山センター16:15

10/8(日) 泊地5:20→本谷山登山口手前分岐6:10→丹後山避難小屋10:20→大水上山11:15→兎岳12:00~12:15→池ノ段分岐15:00→中ノ岳15:25→中ノ岳避難小屋15:30

10/9(祝) 泊地6:45→池ノ段分岐6:55→日向山8:20→十字峡登山センター駐車場10:30~11:10⇒三国温泉萌気園入浴昼食11:30~12:30⇒六日町IC12:50⇒高尾山IC 17時

【概算費用】

往復460km×35円=16100円,高速3690+4360=8050円,洗車代ほか1850円,合計26000円 /4人=6500円

庚申山から皇海山 2023.6.3~4

前夜6月2日、台風2号が南岸を通過中の風雨のなか時折、突風にハンドルをとられながらもレンタカーでW,O,Tの3名が渡良瀬川上流域にある足尾の庚申山へ行って来ました。   washi) 記

  [P] 8:20→一ノ鳥居 9:30→11:00庚申山荘11:20→お山巡りの分岐12:10  →13:30ツル岩付近13:45→山荘14:35→天下見晴15:05→山荘15:35 / 4(日) 山荘 3:30→庚申山 4:30→鋸山 6:30→皇海山 7:50→鋸山 9:20  →六林班峠10:25→12:30山荘12:50→15:00駐車場15:20⇒水沼駅温泉センタ  (入浴600円2023年7月末~休業中)18:30⇒本庄児玉IC⇒高尾山IC20:30 【費用概算】

・レンタカー 12,300円(片道150km,4時間)・高速料金 あきる野~本庄児玉(ETC深夜)1,640円 本庄児玉~高尾山(ETC休日)2,430円・ガソリン代 5,000円 交通費計21,370円÷3人≒7,200円 ・庚申山荘素泊まり 2,080円

皇海山の地図
 皇海山2144mは日光足尾山地にあり、約160万年前の成層火山が侵食されアオモリトドマツ等の樹林に覆われた山で、東西に500m程と長い山頂の形が目立ち、髷を結う笄の形からコウガイ山と呼ばれていたものが現在のスカイ山となった様です。およそ20km北西にある上州武尊山2158mも120万年前の火山で、近くの20km南西にある赤城山は50万年前の火山なので、その地形の古さがうかがえます。特に庚申山の東面の崖から鋸十一座と呼ばれる西側へ続く約3kmの尾根は侵食険しく、道程は鎖や梯子で整備されています。

庚申山は外来信仰行事の干支の一つ「かのえさる」に関した民間信仰と修験道に選ばれた険しいお山で猿田彦神社が祀られています。

庚申山,裏見の滝 未明に銀山平に着いた頃は雨もやみ、4時間ほど仮眠のち出発。前夜の大雨とうって変わって青空が木陰から覗く渓谷沿いの林道を一ノ鳥居まで。そこから奇岩や石碑が導く山道を猿田彦神社跡を経て庚申山荘に到着。寝床を確保し空荷でお山巡りに出る。この裏見の滝では手前を左上に登ると庚申山へ行けます。
庚申山,中倉山へ続く稜線 奇岩一ノ門を這い上がった分岐から「お山巡り」の道に入り東側の岩壁に沿って庚申山荘まで周回しました。この画像は草原が清々しい中倉山へと続く道のない尾根です。
庚申山,冷涼湿潤な岸壁 東南面に開けた崖には上部の樹林から所々水の流れがあり、サクラソウ科の雪割草(地域呼名:コウシンコザクラ)が濃いピンクの花を咲かせ群生しています。特に暗く垂直な崖に草丈3cm程のムシトリスミレ族コウシンソウがひっそりと根着いていました。
庚申草 地面に密接した小さな葉の表面から出る粘液で動けなくなった虫の養分を吸収する食中植物です。花茎が二股に分かれる珍しい特徴があります。
庚申山荘ベンチで夕食 お山巡りから戻りさらに「天下の見晴」まで行ってみましたが管理人さんが言っていた筑波山までは見えませんでした。今朝到着して外のバイオトイレを修理していた職員さんが下山して行き、今夜の宿泊者は30人位。先週末は80人越えでコンクリ土間に寝た人もいたそうです。公共の小屋ですが庇裏の剥がれやテラス、階段の老朽崩れが危険な状態でした。それでも布団に寝れるのは助かります。
朝焼けの皇海山 翌早朝3時半に小屋を出発。昨日偵察下見したのに暗いためか裏見ノ滝で少し迷いました。要所にある赤と黄色の反射塗料金属プレート道標がヘッドランプに光って目印になり助かります。台風崩れの強風のなか庚申山直下の展望台にて朝焼けの皇海山や日の出方向の男体山が望めました。
皇海山へ駒掛山の鞍部 駒掛山手前の鞍部は笹原に岳樺が美しく立ち並び、ヤシオツツジが朝陽に照らされて風に揺れていました。
皇海山へ薬師岳 鋸十一座の尾根を進みます。薬師岳の標識を過ぎて見えて来た剣ノ山へ続く岩壁です。岩壁のブッシュ寄りにロープが設置されていて助かります。上がるとすぐ垂直壁に付けられたアルミ梯子を降ります。
皇海山シャクナゲ 見事なシャクナゲロードを進むと六林班峠への分岐がある鋸山で大休止。ここまで4パーティ程に先行を譲っています。
皇海山 さらに3パーティ程抜かれて皇海山山頂に7:50到着。山頂は樹林に隠れて展望がありません。西の峰に寄る気も無く、すぐ戻ります。
皇海山へ鋸尾根 皇海山へは沼田市の栗原川林道から不動沢のコルへ上がるルートが最短でしたが2019年10月の台風19号による崩壊で通行禁止になっています。そのコル付近から鋸尾根を見ると、鋸山へ戻る斜面が恐ろしく急に見えます。
皇海山の鋸から北西面 鋸山に戻ると、皇海山の西の肩越しに上州武尊山が見えました。
皇海山鋸から武尊山 武尊山へズームイン。2022年3月26日に川場スキー場から雪山研修で登った時は吹雪がひどくて先に進めず、滑落停止訓練だけでも精いっぱいで撤退した事が思い出されます。
皇海山から六林班峠へ この鋸山の分岐から南へ下る六林班峠の遥か向こうに赤城山や富士山まで見えました。
皇海山下山は女山の笹薮 峠の手前の女山付近までは背の高さを越える笹薮を掻き分けて進みます。樺の高い位置に付けられた道標板は本当にありがたいです。
皇海山下山は六林班峠の樺平 峠からは、鋸尾根の下部南面を巻くルートを東へ庚申山荘を目指して戻ります。何度もせせらぎや沢を渡る長い道程ですが、シロヤシオツツジや樺平の新緑がハルゼミの響きと共に疲れた身体に沁みていきます。

 / 3(土) 本庄児玉IC⇒銀山平国民宿舎かじか荘登山者用駐車場 3:30(仮眠)

【メモ】

足尾銅山は江戸幕府直轄鉱山として栄えたものが明治38年古河鉱業の経営となり1973年の閉山まで日本の発展を支えてきました。小滝坑のあった銀山平付近には鉱山住宅跡が山林の間にひっそりとひな段の様に残っていました。一方、日本で最初の公害と云われる足尾鉱害事件は、製錬所から出る亜硫酸ガスによる煙害で松木川沿いの山林枯れや坑道を支えるのに使用する坑木の乱伐による土砂流出で渡良瀬川に有害物質が流れ込む事で流域農作物や住民に被害が及び深刻な社会問題となりました。渡良瀬遊水地等の沈殿池や治水、山林復旧事業は約100年前から現在も続けられています。ここ備前楯山地下深くでの熱水鉱脈は、渓流の岩の下にかくれた鰍のように見えた事から「かじか」と呼ばれていたそうです。
 【行程概要】

6/ 2(金) あきる野IC 24:30⇒

尾白川渓谷 鞍掛沢 2022年9月10~11日


 往く夏を惜しみ沢中にテント1泊にて、尾白川渓谷の中流域で分岐している鞍掛沢へ沢登りを楽しんできました。 6:30に駐車場を出て日向山登山口の矢立石へ直接登り車道を西へ辿っていくと日向八丁尾根から降りてくる道の分岐に錦滝があり、そこの東屋で一休み。やがて荒れた車道は何回か隧道を抜けて歩くこと9時にやっと終点。そこから100mほど既設ロープ伝いに急下降して尾白川に入渓。本流を進むとすぐの女夫滝の大淵が見たこともない深緑色で神秘的。ここは右岸をロープ出して越えると、北西方向に分岐する鞍掛沢の出合が右手から現れ遡行を開始する。  washi)記




鞍掛沢に入ってすぐの小滝の釜は入浴剤を溶かした様な色で、みんな童心に戻って清流と戯れます。




標高1450mで幕営適地を見つけ14時頃から岩を除けてしっかり整地する。テントは3張りで楽しい夕食が始まった。夜半には中秋の名月がせせらぎを照らしていました。




翌朝はゆっくり8時半に出発。白い花崗岩の沢床を思うがままに遡行していきます。




ここは堰堤のような大岩から滝しぶきが流れ落ち、滝の裏にも回り込めます。八丁尾根上の烏帽子岳へ突き上げる鞍掛沢の本流は長く困難なので、途中の枝沢から鞍掛山の鞍部へ向かいました。




この鞍掛山は甲斐駒ヶ岳北面の展望台ですが、あいにく甲斐駒山頂が雲に覆われていてよく見えませんでした。




おなじみの日向山から見た八ヶ岳にも雲がかかっています。ここの白砂はまるで夏の浜辺にいるようです。 次の夏も訪れることを山に挨拶して下山しました。




【参加者】鷲林)係、藤沢、井之下、他2
【行程概要】
9/ 9(金) 京王八王子駅23:00⇒高尾山IC⇒須玉IC⇒甲斐駒ヶ岳登山者用駐車場(仮眠)
9/10(土) 駐車場 6:30→矢立石付近林道日向山登山口→錦滝 8:30→林道終点 9:00→
    尾白川入渓 9:30→鞍掛沢出合11:30→1450mテント適地17:00泊
9/11(日) 泊地 8:30→うら見滝 9:30→鞍掛山への北面小沢10:30→鞍部12:10→鞍掛山
    13:00→鞍部13:45→尾根分岐14:00→日向山15:10→駐車場17:00⇒京王八王子駅20:20
【概算費用】
レンタカー12000円,高速3960円,ガソリン5000円,合計20960円/2人の場合=10480円