大雪山系の赤岳・緑岳を目的に羽田を早朝にたち旭川経由、銀仙台に車を進める。雪に覆われた林道を歩いて登山口に。ダケカンバの灌木帯の上は第一花園でチングルマやヨツバシオガマを期待していったがなんと斜面にはスキーの滑走跡が描かれている。出会う人もスキーを担ぐ若者で、異空間に迷い込んだ気分。二つの雪渓をこえると駒草平。雪が消えたガスの間に黄色の蝶がひらひら・・・。と、これがなんとコマクサを食草としている天然記念物のウスバキチョウとの出会い。熊に注意しハイマツ帯ではズズを鳴らし、第四雪渓を超えた先がナキウサギの生息する岩稜帯となる。「キチィ」と鳴き声はしたのですが・・・。赤岳は表大雪の絶好の展望台と言われるが残念ながら濃霧の中。平坦な縦走路なので迷わないように注意しながら白雲岳避難小屋についた。宿泊者は十数名。ほとんどが旭岳・黒岳方面からの縦走者で大雪のゼブラの山々を楽しんでいた。
山小屋の朝は早い。明るくなって目覚めると窓の外にはトムラウシが聳えている。時計を見るとなんと4時前。大雪の縦走路に位置する白雲岳避難小屋では既に出発している方々がいる。ゆっくり食事をとり5時40分発。雲海をしたがえた緑岳の展望は素晴らしい。真っ青な空と雪渓とゼブラ模様の山々のど真ん中。最高峰の旭岳・白雲岳、高根ヶ原や忠別岳遠くはトムラウシ山まで望むことができ、対岸の東大雪の石狩岳・ニペソツ山もいい。南部に続き明日登る予定の富良野岳・十勝岳方面は噴煙がたなびいている。銀仙台への周遊では、小さなホソバウルップソウ・コマクサ・エゾコザクラ・キバナシャクナゲ・イワウメ・珍しい黄色の花をつけたウラシマツツジに出会え自然が息づく広大な北海道の山々に魅了された。
山下 正 記 八尋 写真提供
大雪の山をバックに三姉妹? |
森林パトロール事務所が設置されている 銀仙台
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第二花園の先のコマクサ平 コマクサを食草としている天然記念物の ウスバキチョウの生息地 カメラを持った愛好家が訪れる所 | |
白雲岳避難小屋から眺める早朝の トムラウシ山 本日の天気が約束されている | |
雲海に浮かぶ東大雪の山々 石狩岳・二ペソツ山 | |
大雪山縦走路の高根ヶ原より トムラウシ山 右奥には十勝山系の十勝岳・富良野岳 | |
中央のトムラウシ山 | |
緑岳にむかう | |
大雪山特産のホソバウルップソウ |
薄紅色のかわいい花が下向きに開く ツガザクラ | |
秋には葉っぱが真っ赤に紅葉し艶やかな ウラシマツツジですが、初夏には黄白色 のこんなかわいい花を咲かせます |
[コースタイム] 6/25羽田6:45⇒旭川8:20⇒銀仙台11:30~12:00→駒草平13:35→ 赤岳14:50~15:00→小泉岳15:35~45→白雲岳避難小屋16:25 6/26白雲岳避難小屋5:40→緑岳6:20→小泉岳7:50→赤岳8:20→駒草平手前 9:40~50→銀仙台11:15⇒吹上温泉 白銀荘泊16:30 [概算費用] 航空チケットは各自購入 レンタカー3泊4日 17.092 ガソリン代(500k) 3.254 白雲岳避難小屋 3.000 白銀荘 7.850 夕張岳ヒュッテ 4.500 ガスボンベ他1.200 計36.896 一人当たり@12.300 |