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美しい紅葉に彩られた“南アの大展望台”烏帽子ヶ岳へ

10月29日~30日に恒例の「お楽しみ山行」として、美しい紅葉に彩られた伊那谷周辺の山に行ってきました。「お楽しみ山行」はなかなか行く機会のない、あまり知られていない隠れた山を目指し、《みんなで行こう・・・!》と云う主旨で、15年ぐらい続けている企画です。今年は、伊那谷と南アルプスの大展望台と云われる[烏帽子ヶ岳]、南アルプスの主陵を西側から見る圧倒的な展望の山[尾高山]、そして里山からは干支の山[卯月山]と・・・、それぞれに違った味があり、何れも魅力がいっぱいの伊那谷の山々を、秋の紅葉を求めて巡ってきました。今回はその中から、素晴らしい天候と澄んだ秋空の下、美しい紅葉と大展望を味わうことが出来た、[烏帽子ヶ岳]登山の様子をお伝えしたいと思います。


「烏帽子ヵ岳」は中央アルプス南部の奥念丈岳から伊那谷に向かって東に伸びる尾根の末端に位置する標高2,195mのマイナーな山です。烏帽子岳あるいは烏帽子山と称される山は合わせると85もあるそうで、中でも伊那谷の[烏帽子ヵ岳]は同名ランクで4番目だそうです!確かに、途中のりんご畑から見た《烏帽子型》は文句のない姿で、厳しさと風格を漂わせていました!標高差こそ1,000m程ですがいざ登り始めてみると意外に手強く、ことに八合目を過ぎたあたりからは針葉樹林帯に変わり、岩場と急登の連続に疲労感がピークに達したころ、ようやく「烏帽子岩」の下部に到達し、最後のエネルギーを振り絞っての登頂でした!山頂からの眺望は素晴らしく、正面に百越山、さらに稜線が続き仙涯嶺、その直ぐ右に南駒ヶ岳、そして空木岳が・・・!また、北東方向には八ヶ岳連峰が蓼科山から権現岳まで遠く望まれ、伊那谷を挟んで東側には鋸岳・甲斐駒ヶ岳・千丈岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳と続き、塩見岳を真ん中にして南東方向に荒川岳・赤石岳・聖岳・上河内岳・茶臼岳・易老岳・光岳・・・などの南アルプスの山々が美しいシルエットを見せていました。

烏帽子ヵ岳は想像していたよりずっと体力のいる厳しい山で、「お苦しみ山行だぁ・・・」なんてダジャレが出るほど、皆さん〈よれよれ〉になりました。でも、率直な感想を言わして頂ければ、『こんなにいい山だとは思っていなかっただけに・・・』、素晴らしい眺望とちょうど見頃の紅葉、特にカラマツ林の美しさには感動しました・・・!

標高880m付近の柿やリンゴがたわわに実る松川町付近から見た「烏帽子ヶ岳」
鋭い烏帽子型の山頂を見て、否応なしテンションも上がる・・・!
鳩打峠の登山口に立つ「案内看板」
烏帽子ヶ岳山頂まで4hrとある!
念丈岳までは更に2.5hr、一体誰が登るのだろうか・・・?
全員で恒例の準備体操を行い、標高1,120mの登山口を7:46に出発!
出発してから1時間15分、美しいカラマツ林の登りが続く。
登山道は良く整備されていて歩きやすい。
登山口の看板にもあった「念丈倶楽部」の方々がボランティアで整備していることを後で知った。 
感謝、感謝の気持ちで一杯だ・・・。

紅葉も真っ盛り!
真っ青な空とのコントラストが目に染みるようだ。
ほんとうに良い時期に来たものだあぁ~!
9:28、樹間から烏帽子が望めるこの場所で小休止。
標高はまだ1,740m「それにしても遠いなぁ・・・」
この辺りは緩やかなカラ松林が続き、皆さん余裕の足取り・・・!
10:17、標高1,849mセキナギの頭(=7合目)を少し過ぎた鞍部から下伊那方向を見る。
この辺りは南側のシラハケ沢から崩壊が進み険しい地形になっていた・・・!
8合目から上は針葉樹林帯の急登が続く。
平均斜度が30度を超えると言われるヤセ尾根を喘ぎ喘ぎ登る・・・。
この辺りから、間隔の開きが目立って来る・・・!
「頑張れ・・・!」「頑張れ・・・!」
10:31標高1,975m付近の岩頭脇をトラバースする。
登山道も岩や木の根っこだらけとなり、気が抜けない!
山頂まであと220m
「さあ、もうひと踏ん張りだぁ・・!」
11時18分、遂に山頂に立つ!
伊那谷や南アルプスの雄大な眺めに、苦しかった登りを忘れ感激に浸る・・・。
登り始めてから3時間30分、ちょっとハイスピードだったかも知れない。
左から仙涯嶺・南駒ヶ岳・赤椰岳・空木岳~池山尾根を望む。
写真より左側には南越百山・越百山も見える・・・!
〈Wさんがしきりにビデオを廻している〉
伊那谷の大展望(下伊那方面)
伊那谷を挟んで遠く南アルプス連山のシルエットが美しい。
前衛の山塊の中には明日登る、[尾高山]と[卯月山]もあるハズ・・・。
あまりの素晴らしい眺望に、皆しばし“昼めし”も忘れる。。。。
もっと留まりたい気持ちを断ち切り、12時丁度に腰をあげる!
12:10烏帽子岩からの眺望を楽しみ、いよいよ下山開始!
「さぁ、気を引き締めて行こう・・・」
樹林から南アルプス南端の山々を望む
中央左のピラミッド型の山が池口岳
手前、前衛の中に卯月山があるハズ・・・。
13:30 振り返ると樹間から端正な烏帽子の姿が・・・。
もう直ぐ、小八郎岳の分岐だ・・・!
小八郎岳山頂には14:18に着く。
14:30に小八郎岳を出発。
再び烏帽子ヶ岳ルートに合流し、美しいカラマツ林の登山道を足取りも軽く下る。
もうすぐ鳩打峠だ・・・!
小八郎岳山頂から伊那谷と南アルプスの眺望をもう一度目の奥に焼き付け、ちょうど15時に鳩打峠の登山口に全員無事に到着。 
《お苦しみ山行》ほんとうにお疲れ様でした・・・!
(参考)
山行データ
・全歩程:8.4km  ・標高差:1,075m  
・行動時間:7hr15min (実行動時間5hr45min
・コースタイム
 7:30鳩打峠登山口7:46――――8:21小八郎岳分岐――――8:35小八郎岳合流―――
10:00飯島ルート合流(7合目)10:10―――――11:18烏帽子ヶ岳12:00―――――
12:07烏帽子岩――――13:14飯島ルート分岐――――14:00小八郎岳分岐――――
14:18小八郎岳14:30――――14:40烏帽子ルート合流――――15:00鳩打峠登山口
                                                
                以上 記 元木 義隆

残雪と山菜の奥飛騨「猿ガ馬場山」へ

6月5日に残雪の白山連峰の大観を期待して、猿ガ馬場山に行って来ました。
前夜発、早朝からの行動開始と、かなりの強行軍でしたが天候も我々に味方をしてくれ、「山頂探し」や「山菜講習」など計画にない“楽しみ”も加わり、ほんとうに充実した山行を味わうことが出来ました!
猿ガ馬場山は白川郷集落の背面に位置する標高1,875mの飛騨山地の最高峰で日本三百名山の一つだ。山頂付近はのっぺりと平らでだだっ広く、オオシラビソなどの針葉樹林に覆われていて、見通しが利かず、頂上を探すのが一苦労でした。
山頂に着いた頃には曇が出始めてきて視界が利かなくなり、御岳・乗鞍・北アルプスなどの遠望はもちろんのこと、期待していた白山連峰さえも見ることが出来ませんでした・・・。
無事下山するのを待っていたかのように、「白川郷の湯」に向かう頃には降り始めるというタイミングの良さで、長い一日を終わることが出来ました。
見渡す限りの新緑、新緑・・・
山々はブナの新緑に覆われていた。
しばし疲れを忘れる!
10:10、帰雲山に到着!
25分ほど休憩して、いよいよ猿ガ馬
場山へ。

猿ガ馬場への登り
倒木や垂れた枝などを跨いたり、く
ぐったり、避けたりしながら・・、
「一歩一歩前進・・・!」
1,600m付近で
ブナの巨木
ブナの林を行く!
樹齢数百年の巨木が沢山ある。
写真のブナは3本がくっついている
のか、もともと1本なのか・・・?
凄い生命力に圧倒される!
1,770m付近で
標高1,770mを過ぎた付近から
はまだかなりの残雪だ・・・!
踏み抜きに注意しながら進む。
昨夜からの強行軍の疲れか、
皆、足取りが重くなる・・・。

あと少しだ~
登山道も不確かとなり、しばしば地
図と磁石でルートを確認しながら、
ひたすら山頂を目指す・・・。
山頂まであと僅かとなった、1,865m
近からは「山頂探し隊」様相
し、“ヤブコギ”を繰り返す。
迷わないために赤色のリボンを付け
がら慎重索を続る!

ついに山頂へ


12:23 ついに猿ガ馬場山山頂を
《発見》・・・!
白川郷を出発してから、5時間50分、
計画より50分の遅れであったが、こ
の遅れの大半は山頂捜索に費やし
た時間か・・・。
一同もうクタクタ・・・!

山頂集合写真
この満足気なお顔を見て下さ。 
苦労した分、ひとしお・・!
ここで、30分ほど昼食休憩の後、
12:55に山頂発。

もう一つの山頂


帰路のルートを探索中、何ともう一
つ山頂を示す古い小さな看板を発
見し、一同びっくり!
どうも、山頂を示す標識が幾つもあ
らしい・・・?
何とも人騒がせな「山頂探し」で
た!

 

キヌガサソウ

 


帰路はキヌガサソウ、サンカヨウ、
エンレイソウ可憐花達
ばし疲れを忘れる。
また、自生するワサビや山ウド、
ワラビ、タラの芽、コゴミ、フキ
・・・などの山菜を観察し、Sさん
「山菜講義」を聞き・・、
ゆっくりース山しました。
サンカヨウ
思いのほか多い残雪に驚き、山菜
花達との出いに感激し・・・、
ほんとうに楽しく充実した山行でし
た!

三方崩山か?
残念ながら最後まで視界には恵まれ
ず、周囲の山々は霞み、僅かに庄川
を挟んだ対岸の三方岩山?と三方崩
山?が霞んで見えただけであった。
写真は夕暮れ時の三方崩山!
下山時の“道草”などに時間を費や
したためか・・・、白川郷に戻っ
してから10時間40分後
17:10した。
          おわり!

( 参 考 )
 [山行データ]
   ・全歩程:約17Km  ・標高差:1,350m ・行動時間:10Hr40min
   (実歩行時間8Hr30min位か)
   ・コースタイム
    06:30 白川郷八幡神社裏→ 08:30 宮谷林道→ 10:15 帰雲山 0:35→
    12:20 猿ガ馬場山12:55→ 14:40 ワサビ沢 →  15:30 宮谷林道 → 
      17:10 八幡神社裏
       
           ※データが示す通り、かなり厳しい山行であった。
          ※八王子に帰着したのは午前1時過ぎであった!
                                               記 Motoki