投稿記事(blog)

厳冬期の硫黄岳より

2月12日(土)~13日(日)、悪天予報のため1日ずらし八ヶ岳・硫黄岳に入山した。同行予定だったS氏の「悪天なのでやめるよ」も無理はないし、日ごろから単独行は避けるよう集会等で言っているだけにあまりほめられたものではないが、1月、業界や活動している関係団体の新年会、顔合わせ、行事など1連の日程を消化し、今の厳しい時期の雪山の勘を忘れないためにも入山しておきたかった。メンバーにも早く雪山にキチンと慣れておくよう企画したが都合が合わず、やむなく単独だが積雪期にもなんどと無く入山しており特に不安はない。

早朝西八王子を出発、茅野下車、定期バスにて美濃戸に入った。すでに登山者の車が80台もあろうか、身支度を整い新雪が25センチのなか出発する。

 11年2月硫黄岳 001

茅野駅より登山者4名定期バスにて美濃戸へ入る。他に数パーティがいた。身支度を整い積雪25センチはあろう中、アプローチを進む。

 11年2月硫黄岳 002 鹿がお出迎えだ。鹿は全国的に適正頭数をはるかに越えている。蓼科のペンションを経営している友人より何度も話を聞いているがその被害はすさまじいと言う。
 11年2月硫黄岳 008 帰りは北沢廻りなので南沢より入る。新雪50センチ、トータル120~130センチぐらいだろうか、1人雪の感触を味わいながらゆっくり進む
 11年2月硫黄岳 012  行者小屋付近のテント場、7~8張り程度か、少ない
 11年2月硫黄岳 014  中山峠、セルフにて、この時間もう行動は終わっているのだろう、人には会わない
 11年2月硫黄岳 017  赤岳鉱泉入り口、屋根上の積雪がすごい。天気は相変わらず曇天だ
 11年2月硫黄岳 018  鉱泉の名物、アイスキャンデー、明日のためにトレーニングする登山者
 11年2月硫黄岳 025  宿泊者約100人とのこと、キャンセルが大分あったらしい。中国人10数名、アメリカ人?数名、ビールを飲んでくつろいだ後5時30分夕食、なんとステーキだ。おいしい。20代の頃、テント泊があたりまえだったため、小屋にはほとんど泊まっていない私たちにはホテルなみ?の嬉しさだ
 11年2月硫黄岳 026

 2月13日、同室の若者は天候が心配なので上はあきらめるとのこと。昨日は鉱泉主人より稜線への登山は止めるよう要請があったとのこと。立場上そうなのだろう。私も受付付近にて主人の言葉を聞いた。「レスキューはいやなんですよ!皆さんにまた来てほしいからね・・。」

小屋の裏手よりが登山ルートだ。出発が私は早いほうみたいだ

 11年2月硫黄岳 028  赤岩の頭直下、小さいが雪屁がありなだれ発生の危険があるところでもある
 11年2月硫黄岳 032

 硫黄岳への登り、降雪はないが10数メートルの風

 11年2月硫黄岳 034  硫黄岳山頂、展望はないが時折雲が薄くなる
 11年2月硫黄岳 035  単独登山者が数名、お互いにシャッター交換。気温氷点下15度、風速10数メートルあり体感温度は25度以上だ。携帯はバッテリーダメ、デジカメも1枚撮っては体で温めまた1枚という調子だ
 11年2月硫黄岳 036  山頂に30分近くいたろうか、寒い長居は無用だ、下山。
 11年2月硫黄岳 039

 赤岩の頭まで下山するとなんと晴れ間が出てきたではないか、付近にいた登山者いっせいに感激!大同心横岳方面だ

 11年2月硫黄岳 055  横岳より赤岳方面
 11年2月硫黄岳 048  稜線よりの下山、積雪期にはなだれを避けるためトラバースはせずダイレクトにルートをとり森林帯に入る
 11年2月硫黄岳 059  赤岳を見ながらの下山だ。この時期はやはり素晴らしい。
 11年2月硫黄岳 061  阿弥陀岳方面
 11年2月硫黄岳 066  天候はすっかり快復しアイスキャンデー、赤岳鉱泉、そして横岳より赤岳にいたる西壁だ。しばしのんびりし、下山する。
 11年2月硫黄岳 068

 美濃戸口より阿弥陀岳を望み、2日間に感謝

 

 赤岳鉱泉の話によると雪が1月はほとんど降らなかったと言う、2月2週目に2度にわたって降雪があり50~60センチの新雪だ。八ヶ岳周辺にて4回の表層雪崩があり、1人が胸まで埋まったが救出されたとのこと。天候や雪の状態不安から稜線に上がらずだいぶ帰ったらしい。帰りに美濃山荘のご主人にも話しを聞いたが、「雪山ではパーティを組まないと埋まったらだれも助けてくれないからなー。」ごもっともです。今後もしっかりとした指導のもと、安全対策を怠るわけにはいかないと感じながらも充実した2日間であった。             

  熊谷 博

 

 

 12日―高尾6:14―茅野8:50 バス茅野発9:35―美濃戸10:30  11:00出発―行者小屋15:00―赤岳鉱泉15:30

 

 13日―鉱泉発7:30―赤岩の頭9:05―硫黄岳9:30~9:55―赤岩の頭10:10~10:20―赤岳鉱泉11:35 ~12:00―美濃戸14:10 ~バス発15:00―茅野15;35―あずさ新宿行き15:50―八王子着17:37

 

  費用―高尾、茅野間2730円、茅野バス900×2=1800円、あずさ料金4300円、鉱泉泊9000円 合計17830円


 

コメント / トラックバック 2件

  1. 佐藤益國 より:

    さすがですねぇ。吹雪のあとの赤岳、阿弥陀岳、素晴らしいです。一歩一歩粉雪を踏みしめて歩く息遣いが聞こえてきそうです。この時期のデータが少ないだけに、行程や費用までもの詳細な記録は貴重ですね。

  2. watanabe より:

    今年も雪上訓練宜しくお願いします。山行のデーターは参考になりますね。
    私も参考にさせて頂きます。仕事もようやく落ち着きましたので山行に力を
    入れていきたいと考えています。

コメントをどうぞ

  (必須)