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槍平から南岳~北穂~奥穂~西穂~焼岳へ

 山行日 9月20日~23日                                                      富山湾から駿河湾へ「日本アルプス大縦走」 の第3弾は、前回のリベンジとして槍平から南岳新道を登り、南岳→大キレット→北穂~涸沢岳~奥穂→ジャンダルム→西穂~焼岳へと縦走し、中の湯温泉に下山しました。

 今回は予報とは大違いで、4日間とも快晴に恵まれ、北アの大展望を心行くまで堪能しながら、北ア最難関と言われる大キレットとジャンダルムを無事に通過することが出来た。これで、馬場島から中の湯温泉まで北アの縦走を無事に終わったことになる・・・。オマケ程度に考えていた焼岳の山頂からは、今まで歩いてきた薬師の辺りから槍・穂高連峰までを一望することが出来・・・、改めてその“厳しさ”を実感しました。

山裾は早くも秋の気配が漂い、ナナカマドの赤と青い空のコントラストが大変美しく、また下山後に寄った中の湯温泉の露天風呂から見た、奥穂~明神の眺めも格別でした・・・!            by motoki               


                 畏敬のジャンダルム

920日  新穂高温泉~槍平~南岳~南岳小屋                                           新穂高温泉に夜行バスで5時少し前に着き、朝食と準備を済ませ5:35分に出発する。穂高平小屋を過ぎる頃には明るくなってくる。どうやら今日の天候は出発前の予報に較べかなり良さそうだ・・・!今日は槍平から南岳新道を登り南岳まで、標高差は実に1,953mもある。夜行バスの疲れと睡眠不足の体にはかなりハードだ・・・!
   
 右俣林道を槍平へ  白出沢出合 見上げればジャンダルムが
   
 滝谷出合、滝谷ドームが逆光に輝く   樹林の間から笠ヶ岳が見えてきた  手前は奥丸山
   
 救急箱を過ぎると大展望が拡がる   ピラミッド形の中岳
   
 どっしりとした風貌の南岳  南岳山頂から南岳小屋を望む 後方は大キレット
921日 南岳~大キレット~北穂~涸沢岳~奥穂高山荘                                     浅間山の頂から昇る日の出を拝み、今日の安全を願う・・・。遠く富士、甲斐駒、千丈、北岳、塩見、荒川、赤石、聖がくっきりと望まれる。眼前には大キレットの鋭利な稜線が北穂へと伸びる。今日は長谷川ピーク、飛騨泣き、北穂、さらに涸沢岳から奥穂高山荘までの僅か3.5km程の行程だが、一瞬の油断も出来ない!
 
  浅間山の頂から昇る朝日、常念のシルエットが美しい  大キレット~北穂~奥穂のモルゲンロート
   
 黎明の富士山と南アルプス連山  いざ、出発・・・!
   
 南岳を振り返る  このギザギザが飛騨泣き
   
 そそり立つ北穂の岩壁 北穂小屋が見える  第2尾根の岩稜
   
 北穂小屋のデッキでcoffee time  歩いてきた、槍~中岳・南岳~大キレットを見る
   
 涸沢岳の稜線、後方は奥穂  「ブロッケン現象」に遭遇
922日  奥穂~ジャンダルム~西穂~焼岳小屋~中の湯へ                                    奥穂山頂には日の出より少し前に着いたが、雲が低く垂れているため、少し遅れて雲の上から太陽が顔を出す。ジャンダルムが朝日に照らし出され神々しさを覚える。今日はいよいよジャンダルムだ・・・!西穂側から攻めてからもう10数年は経っただろうか、齢を重ね体力は確実に落ちている・・・、不安がよぎる。
 
 夜明けの奥穂山頂で  鹿島槍から白馬まで視認できる・・・
   
 朝日に輝くジャンダルム  「馬の背」と呼ばれるナイフリッジ
   
 後続のパーティーが小さく見える  ロバの耳のトラバース  鎖が無かったら・・・
   
 遂にジャンダルム3,163mに立つ  槍に向かって流れる白雲が描く、一幅の画
   
 天狗岳~西穂、焼岳が低く感じられる 槍をバックに 天狗岳山頂で
   
 厭らしい「逆層スラブ」の登り  間ノ岳 どこから登るのか見当が付きません!
   
 西穂 山頂には数人の登山者が見える  ピラミッドピークから西穂を振り返る 
   
 西穂山荘を後に焼岳小屋に向かう   槍見台から見た霞沢岳の全貌
923日 焼岳小屋から焼岳~中の湯温泉へ                                            昨夜の焼岳小屋は貸切状態、登山客は私と大阪から来たご夫婦の3人。お世話して頂いた従業員の皆様も3人・・・。美味しいご飯に感謝感激の一夜でした。今日も好天・・・、焼岳からの下りでは紅葉も楽しむことが出来た。下山後は、ずっと楽しみにしてきた「中の湯温泉」に直行する。温泉・お酒・おそば・・・余りにも居心地が良く、初めて計画より大幅に遅れてしまった。
   
 焼岳、東峰~北峰~南峰の全景  焼岳北峰
   
 槍・穂高の一大展望・・・、よくぞ歩いてきたものだ!  ナナカマドの紅葉が噴煙を上げる焼岳と青空に映える
後記                                                               大キレットが3回目、ジャンダルムが2回目であったにもかかわらず、今回の山行では過去には感じなかった何か重圧のような意識がずっとあった。やはり年齢からくる体力の衰えに対する不安か・・・?それとも経験を積んだことにより本当の山の怖さが分ってきたのだろうか・・・?多分その両方であったろうと思う。ちょっとしたミスが大きな怪我や死に直結する山の厳しさを目の当たりし、改めて基本の大切さを思い起こした・・・。幸いに天候にも体調にも恵まれ、ほぼ完璧に近い形で北アの核心部を通過できたことは、今後の活動に大きな自信となることだろう。 駿河湾までの道のりはまだまだ遠いが・・・、焦らずゆっくりと一歩一歩登って行こうと思う。                                         ともかく無事の下山に感謝・・感謝・・・「乾杯!」

[コースタイム]                                                       9/19 都庁地下23:00発⇒新穂高温泉4:50                                            9/20 新穂高温泉5:30→7:30白出沢出合→8:40滝谷出合→9:55槍平小屋10:30-→13:15箱地点-→15:05南岳小屋                                     9/21 南岳小屋6:50→8:20長谷川ピーク8:30→9:55北穂10:44→13:16涸沢岳13:25→13:42                                                  9/22 穂高岳山荘510→5:42奥穂6:01→7:04ジャンダルム→8:50天狗岳→9:45間ノ岳→11:19西穂高岳→11:57ピラミッドピーク→13:11西穂山荘13:50→15:15槍見台→17:15焼岳小屋                                               9/23 焼岳小屋5:40→8:21焼岳北峰8:38→11:23中の湯登山口→11:30中の湯温泉13:30⇒中の湯バス停14:17⇒松15:54本16:58⇒19:02八王子

[概算費用]                                                          食糧費 7,600円                                                      交通費 新宿⇒新穂高温泉@7,700円  中の湯⇒松本@2,050円  松本⇒八王子@5,508円(特急あずさ)                                                 宿泊費 南岳小屋、奥穂高山荘、焼岳小屋 3泊で27,100円   合計 約5万円

コメント / トラックバック 2件

  1. washibayashi より:

    元木副会長さま 最難関の通過おめでとうございます。南岳からの大キレットを臨んだモルゲンロート。
    奥穂高のブロッケン。畏敬のジャンダルム。等々、素晴らしい山旅でありました事がよくわかります。
    時間とお金が無い事で山行の機会を見送っている自分が恥ずかしいです。
    途中、若者の負傷の面倒を見ながらも予定通り行動できる気力体力に改めて感服致しました。washi

  2. クマガイ より:

    3年前に「赤木沢遡行」後に偶然出会ったレース、「トランスジャパンアルプスレース」は私たち3人(山下、元木副会長)は感動し、あまりの過酷なレースに衝撃的でした。リスクマネージメント(危険回避対処能力)は当然のこと、15時間行動なんて当たり前その後のッィルトビバークは雨などどんな状況下でもできることなどまさに超人的人間ならではの事、それらのコースを自分もなんて実行する元木さんには敬服です。まさに壮大な計画ただただ安全を願い見守るだけです。富山湾から駿河湾415キロ…うーん団塊世代まだまだ行けますね!!

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